
今日は晴天。
少々早起きをした。
今日は私にとって大切な日。
珍しくきちんと朝ごはんを作ろうと、キッチンに立つ。
お茶を沸かし、急須にいれ、私の小さな小さな仏の前へ。
私は祖母とお茶を飲むのが好きだった。
祖母はいつも私に
「さおりちゃんと飲むお茶は一番美味しい」とか
「さおりちゃんと食べるご飯が一番美味しい」とかいった。
だから、私は今日はばあちゃんとお茶を飲む。
ばあちゃんと飲むお茶はおいしかったね、とばあちゃんの写真を見ながら思う。
あれから・・・
もう、今日で10年が経ってしまう。
私はあのとき、今の時間は、ばあちゃんと一緒に寝ていた。
冷たくなっていく祖母を少しでも引きとめようと。
私は祖母に育てられた。
そんな祖母がこの世から去ることは、天と地がひっくり返るような気持ちだった。
悲しくて悲しくて、寂しくて寂しくて。
祖母がいなくなって、
私ははじめて絵を描いていこうと思った。
祖母が病で入院し、あと少しの命とわかったとき、
私は東京に戻らなくてはいけなかった。
一緒に居る方法もあったのかもしれない。
だけれども、一緒にいたら、祖母がなにかを悟ってしまう・・
そう思い、後ろ髪を引かれる思いで、大分を去ったのを今も覚えている。
東京に戻ったその日から、祖母に手紙を送り出した。
宛名面は今日の一言日記を描き、
裏には毎日毎日、絵を描いてそれを続くお話にしていった。
祖母は私が大好きだったから。
その手紙をみるのを楽しみに、きっと生きてくれると思ったから。

残念ながら、祖母はそれから45日後にこの世を去った。
私は、祖母が生前、「これが本になればいいのに」といってくれた言葉を胸に
大好きだった絵を描き始めた。
だから、今日は祖母が居なくなって10年、
私が絵を描き出して10年。
ひとはなにか大切なものを失うと、
また新しいものを得るという。
私は絵というとてもキラキラとし、揺るがない強いものを
大好きな祖母からもらった。
だから、私は今日も絵を描こう、と思う。
あっという間の10年、
いろいろあった10年。
10年経ったから、もう、いろいろ話してもいいでしょう?
ねえ、ばあちゃん。
しばらくこれから、私の祖母の思い出話などを時々書くと思いますが、
わたしにとってのばあちゃんに対する敬意、なのです。
どうぞ時々お付き合いくださいマセ

(トップの絵は2003年に描いたものです)